「こころ」はいかにして生まれるのか
著 者:
櫻井武
出版社:
講談社
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「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた
著 者:
橋本幸士
出版社:
講談社
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免疫の意味論
著 者:
多田富雄
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青土社
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ブラックホールをのぞいてみたら
著 者:
大須賀健
出版社:
KADOKAWA
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これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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皮膚感覚と人間のこころ
著 者:
傳田光洋
出版社:
新潮社
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科学本の言葉–8–(ブレーズ・パスカルの言葉)

「人間は自分が立ち現われた無も、自分がのみ込まれる無限も、等しく見ることができない」――ブレーズ・パスカル『パンセ』

デイヴィッド・イーグルマン(著)
大田直子(訳)

上記の言葉が記されているのは、『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』。この本は、私自身の中心は「私の意識」ではないという見解を神経科学のさまざまな研究事例を織り交ぜて伝えた一冊。

パスカルの言葉は、第4章「考えられる考えの種類」という章のなかの「環世界――薄片上の生活」の書き出しで引用されている。その書き出しから著者イーグルマンは、「私たちは自分の空間スケールで起こる活動さえもほとんど見ることができない」と述べ、つぎのようなことを論じていく。

同じ生態系に住んでいても、生物により知覚できる世界は異なっている。知覚できる世界は、その生物の生体内プロセスによって区切られている。かつて生物学者フォン・ユクスキュルは、これを環世界(ウムヴェルト)と呼んだ。この環世界は知覚に限らない。思考にも「思考のウムヴェルト」があるのだ。

パスカルの言葉は、本書の扉にも置かれている。

「人間は自分が立ち現われた無も、自分がのみ込まれる無限も、等しく見ることができない」

そして著者イーグルマンは、本書を通して、こう付け加えた。人間は「自分の空間スケールで起こる活動さえもほとんど見ることができない」と。

【単行本】
意識は傍観者である
著 者:
デイヴィッド・イーグルマン
出版社:
早川書房
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初投稿日:2016年06月17日最終加筆:2017年09月05日

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