「こころ」はいかにして生まれるのか
著 者:
櫻井武
出版社:
講談社
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「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた
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橋本幸士
出版社:
講談社
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免疫の意味論
著 者:
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ブラックホールをのぞいてみたら
著 者:
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出版社:
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これが物理学だ!
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ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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皮膚感覚と人間のこころ
著 者:
傳田光洋
出版社:
新潮社
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科学本の言葉–11–(村上春樹の言葉)

「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです。」――村上春樹

櫻井武(著)

上記の言葉が記されているのは、『睡眠の科学 なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか』。この本は、睡眠と覚醒の脳内メカニズムを解説したもの。

睡眠には、大別すると、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」がある。この二つの状態は、大きく異なっているらしい。覚醒と睡眠はまったく異なる状態だが、それと同じくらい「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の状態は異なっているという。

睡眠を客観的に観察するとき、生理学的な重要な指標が「脳波」だそうだ。そして、「レム睡眠」のときの脳波は、覚醒時と似ている。『睡眠の科学』では、つぎのように記している。

「レム睡眠時の大脳皮質は覚醒時と同等か、あるいはそれ以上に活動しているため、脳波は覚醒時と非常によく似た、低振幅の速波である」。ただし、「身体と脳の間の情報交換をカットした状態」だそうだ。

「覚醒」「ノンレム睡眠」「レム睡眠」の違いを、 『睡眠の科学』では、 こう喩えている。「それはちょうど、コンピューターがオンでインターネットにもつながれている状態(覚醒)、スリープモードの状態(ノンレム睡眠)、そしてオフラインで使っている状態(レム睡眠)の3つにあたると考えてよい」と。

そして私たちは、「レム睡眠」のときに、あの鮮やかで奇妙な夢を見ているらしい。

ヒトは眠ると、通常ではまず「ノンレム睡眠」に入る。ノンレム睡眠にはいくつかの段階がある。しばらくすると「レム睡眠」に入り、あの鮮やかで奇妙な夢を見る。2つの状態を何回か繰り返し、朝、私たちは目覚める。

「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです。」

「覚醒」に入った私たちは、今度は、現実と呼ぶこの鮮やかで不可思議な夢を見る。

そして、ふたたび「ノンレム睡眠」に入る。このようなことを繰り返し、いつか、大いなる眠りに入る。

『睡眠の科学 なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか』の各章の扉には、その章題とともに睡眠にまつわる言葉が置かれている。上記の村上春樹の言葉は、第5章の扉にある。

【ブルーバックス】
睡眠の科学
著 者:
櫻井武
出版社:
講談社
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初投稿日:2016年08月29日最終加筆:2017年09月23日

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