宇宙に興味があり、素粒子物理学の世界をちょっと覗いてみたい方におすすめの本
宇宙は何でできているのか
- 著 者:
- 村山斉
- 出版社:
- 幻冬舎
科学本としては異例の大ヒットなどと言われる本書は、宇宙のめぼしい話題と素粒子物理学の基本をわかりやすく解説している。難解な素粒子物理学を、その要所をスパッと切り取ってみせる巧みな〝話術〟で読者に伝えているところが本書の特徴だ。講演をベースにつくられた本なので、〝聞く読書〟というイメージがぴったりとくる。
現在広く受け入れられているビッグバン宇宙論によれば、初期宇宙はとても小さかった。つまり宇宙の起源を理解するには、ミクロな世界を記述する素粒子物理学の知識が必要になってくる。とはいえ、専門家を目指すのでなければ、その知識は〝そこそこ〟でよいはず。とくに素粒子関連本をはじめて読むのなら、概要をなるべくわかりやすく解説してほしい、そう思う方も多いのではないだろうか。そんな要望に応えているのが本書だ。
宇宙の謎、初期宇宙、宇宙の成り立ちに興味をもち、ミクロな世界の物理学に興味もつ。そんな流れで素粒子物理学に興味をもった方が、素粒子物理学のもっとも手軽な入門書をお探しならば、本書はおすすめの一冊だ。
素粒子物理学の解説がメインではあるが、暗黒物質(ダークマター)や暗黒エネルギー(ダークエネルギー)、消えた反物質の謎など、宇宙のめぼしい話題もとりあげられている。
初投稿日:2015年03月30日