「こころ」はいかにして生まれるのか
著 者:
櫻井武
出版社:
講談社
No image
「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた
著 者:
橋本幸士
出版社:
講談社
No image
免疫の意味論
著 者:
多田富雄
出版社:
青土社
No image
ブラックホールをのぞいてみたら
著 者:
大須賀健
出版社:
KADOKAWA
No image
これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
No image
皮膚感覚と人間のこころ
著 者:
傳田光洋
出版社:
新潮社
No image

「意識」を脳科学にもとづいて考えてみたい方におすすめの本

無意識の脳 自己意識の脳
著 者:
アントニオ・R・ダマシオ
出版社:
講談社
No image

単行本の書名は『無意識の脳 自己意識の脳』、文庫版の書名は『意識と自己』。(私は単行本を読んでレビューを書いている)

『無意識の脳 自己意識の脳』は、最高におもしろい一冊だった。と同時に、読み進めるのが大変な一冊でもあった。あまりにも大変だったため、他人におすすめする気にはなれず、書評ページの「ひとこと」に、こう書いた。〝読むのがとても大変な本だと思うので、「おすすめ」とは言いにくいのだが、私のなかでは「おすすめ本」のひとつ〟と。

そんな、『無意識の脳 自己意識の脳』が文庫化されたと知って、久しぶりに読み直した。2回目のため以前より読むのが大変ではなかったし、何よりもダマシオの論考はおもしろかったので、おすすめ記事を書いてみようという気になった。

内容については書評ページにいろいろと書いたので、ここでは、この本のどこがおもしろいのかをごく簡単に書いてみたい。

ダマシオは、意識を考察するうえで、脳だけで考えずに、身体を重要視している。ここが、おもしろいところだ。

脳と身体は分離不可能な「有機体」を形成しており、そして有機体は「環境」と強く相互作用している。この視点から語られる、意識についての独創的な論考が本書の魅力。

意識や心といった見えないものについて考えるとき、私たちは「身体」のことを忘れがちではないだろうか。インターネットを通したコミュニケーションが隆盛の現代は、「身体」を置き去りにしてしまいがちな時代だとも思う。だが本書を読むと、私たちの視点は、きっと「身体」に向かう。

私たちは、意識や心を考えるとき、「身体」と「環境」に目を向けるべきなのだ。そのようなことを考えさせてくれるのが、『無意識の脳 自己意識の脳』(文庫版『意識と自己』)を読むおもしろさだ、と私は思っている。

意識に興味があるなら、たとえ苦労したとしても読んでみる価値ある一冊だと思うが、どうだろう。内容については、書評ページを。最後に、一般向けの脳科学の本をいくつか読んでいる方向きの本であることを付け加えておきたい。

初投稿日:2018年07月30日

おすすめ本

著者案内

レビュー「著者案内:橋本幸士」のメイン画像「著者案内:本庶佑」の画像「著者案内オリヴァー・サックス」の画像「デイヴィッド・J・リンデンの本、どれを読む?」メイン画像「デイヴィッド・イーグルマンの本、どれを読む?」メイン画像「井ノ口馨の本、どれを読む?」メイン画像「櫻井武の本、どれを読む?」メイン画像「多田将の本、どれを読む?」メイン画像「リチャード・ドーキンスの本、どれを読む?」メイン画像「福岡伸一の本、どれを読む?」メイン画像「傳田光洋の本、どれを読む?」メイン画像「マイケル・S.ガザニガの本、どれを読む?」メイン画像「アントニオ・R・ダマシオの本、どれを読む?」メイン画像「池谷裕二の本、どれを読む?」メイン画像「リサ・ランドールの本、どれを読む?」メイン画像「ジョゼフ・ルドゥーの本、どれを読む?」メイン画像「V.S.ラマチャンドランの本、どれを読む?」メイン画像「村山斉の本、どれを読む?」メイン画像「大栗博司の本、どれを読む?」メイン画像

テーマ案内