地球の教科書
書籍情報
- 著 者:
- 井田喜明
- 出版社:
- 岩波書店
- 出版年:
- 2014年11月
地球科学の基礎を見渡すことができる「教科書」
書名にある「教科書」という言葉のとおり、とくに文章を飾り立てることもなく、淡々と解説がなされる学びの書。表紙をめくるとこう書いてある。「広範なテーマを総合的・体系的につなぎ合わせ、地球科学の基礎を1冊でコンパクトに解説した、大人の教科書」と。本書の特色をあげれば、それはまさに「教科書的」といえる。読み物としてわくわくするようなおもしろさはないが、地球科学の基礎を見渡すことができる。
本書の構成について。まず、「各章」の冒頭に、その章でどんなことを学ぶのかのまとめが置かれている。そして、「各節」の冒頭に、簡単な要約あるいは導入といえるまとめが置かれている。
本書の内容について。前述したように、各章の冒頭にまとめがあるので、それを引用しながら、各章の内容をご紹介したい。全4章。
「(前略)第1章は地球のおかれた環境や地球の構成について概観する。地球の存在する太陽系はどんな場所なのか、大気はどんな構造をしているのか、地表付近はどのような状態にあるのか、地球の内部には何があるのかなどをテーマに、それらを制御する基本原理とともに整理する」
第2章は、「地球はどのように誕生し、どんな過程をたどって現在の姿になった」のかを解説。「海の存在、温暖な表層環境、生命の活動、固体表層部の水平運動(プレートテクトニクス)など、地球は太陽系のどの惑星にも見られない独自な特色をもつ。この特色がどのように獲得されたのかを中心に、地球の歴史を組み立て」る。
第3章は、「(前略)地震と噴火がどんな現象なのかを整理しながら、予測の可能性や災害軽減のあり方を考える」
第4章は、「気象現象と地球表層環境に関する話題」。「天気はどのように決まるのか、季節はなぜ生ずるのかなどの身近な問題、また地球温暖化の実態、資源やエネルギー利用法など、人類の未来に関わる問題を考える(後略)」
ひとこと
地球科学を真面目に学びたい方のための本。この本で解説されている内容に関して、わからないところはインターネットで調べたり、巻末の参考文献をあたったり、真面目に学ぶ意欲がある方のための本だと思う。