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出版社:
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出版社:
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出版社:
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著 者:
傳田光洋
出版社:
新潮社
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生命科学の静かなる革命

書籍情報

【インターナショナル新書】
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著 者:
福岡伸一
出版社:
集英社インターナショナル
出版年:
2017年1月

本書は、生命科学の発展に寄与したロックフェラー大学の科学者に光を当てる。ノーベル賞学者を含む5人の科学者との対談では、「生命とは何か」と問いかけている

ロックフェラー大学の5人の科学者との対談が収録されているのが、本書の特徴だ。

ロックフェラー大学は、「生命科学研究に特化した大学院大学」で、著者・福岡伸一が「駆け出しのころに武者修行をした思い出の地」。ここに、2013年4月から2014年までの間、客員教授として研究留学していたという。対談は、その期間中に行われたそうだ。

対談相手5人のうち3人がノーベル賞学者。その3人を、こう紹介している。「その三人とは、先に記した脳の視覚研究で一九八一年にノーベル生理学・医学賞を受賞したトーステン・ウィーゼル、神経細胞の情報伝達機構の解明によって二〇〇〇年にノーベル生理学・医学賞を受賞したポール・グリーンガード、そして細胞分裂の研究で先駆的な業績をあげたことで二〇〇一年にノーベル生理学・医学賞を受賞したポール・ナースである」と。対談相手のもう一人は、「神経生物学者」のブルース・マキューアン。もう一人は、「染色体・細胞生物学者」の船引宏則。

この5人に、「生命とは何か」と問う。たとえば、こんなふうに。「これはインタビューするすべての科学者の方にお訊きしている質問なのですが、かつて物理学者のエルヴィン・シュレーディンガーが問うたように「生命とは何か」と問われたら、あなたはどのようにお答えになりますか」

回答は、さまざまだ。ここでは、ポール・グリーンガードとの会話を少しだけ紹介してみたい。

グリーンガードは、まず、こう答える。「これは哲学者に訊くべき質問であり、科学者に訊く質問ではありません。まじめにそう思います。人はノーベル賞を受賞すると、その途端に「偉大な人間」になり、「偉大な哲学者」扱いされ始めます。生命とは何かというような問いに対して、もったいぶって話すようになるのです。…略…」

こう述べたうえで、生命について、つぎのように語る。

「わかりやすい言葉で生命を説明すると、それは「細胞が成長し、分裂してできる有機体」ということになりますが、よく考えてみると、私たちはそういうシステムの非常に複雑な集合体のようなものなのです。私個人はその問いに答えることはできませんし、科学者はその問いに答えるべきではないと思います。というのも、言葉がそこまで正確ではないからです」

この後、グリーンガードは、「あなたはどう答えますか」と福岡伸一に問いかける。

福岡は、「細胞の複製ではなく、生命の動的平衡の面に注目したいと思います」と回答する。

すると、グリーンガードは、こう展開する。「あるいは、「私たちは誰なのか」に注目するのはどうでしょうか」と。そして、自身の研究の話を交えながら、哲学的な領域に少しだけ足を踏み入れて語る。

第二章に、5人との対談を収録している。本書は全三章(+序章)

第一章と第三章の内容について。第三章では、著者が行った研究について、分子生物学的手法を丹念に説明しながら語っている

第一章では、まず、トーステン・ウィーゼルとデイビッド・ヒューベルの出会いや研究について綴る。ウィーゼルの言葉を交えながら。

二人が最初に発見したのは、「写像のうち、ある一定の傾きを持つ線だけに反応している神経細胞がある、という事実だ」という。「その後、別の傾きにだけ反応する神経細胞、……略……など、さまざまな反応特性を持った神経細胞が存在することが次々と判明していった」

著者は、さらに二人の研究を紹介していく。

つぎは、「アンサング・ヒーロー」オズワルド・エイブリーについて。エイブリーが、「DNAこそ遺伝情報を担う物質だと世界で最初に気づいた」という。

著者は、こう綴る。「ロックフェラー大学に古くから所属している研究者にエイブリーのことを語らせると、そこには不思議な熱がこもる。誰もがエイブリーにノーベル賞が与えられなかったことを科学史上最も不当なことだと語り、ワトソンとクリックはエイブリーの肩に乗った不遜な子どもたちにすぎないという意見も少なくない」と。

それから、ジョージ・パラーディについて語る。「一九六〇年代から七〇年代にかけて、ロックフェラー大学は細胞生物学の世界的な中心であり続けた」という。「その立役者がジョージ・パラーディ」だそうだ。

パラーディの研究を、こう紹介している。「パラーディが取り組んだ課題は「分泌」という現象である。細胞の内部で作られたタンパク質は、どのような経路で細胞の外に出るか。これを〝可視化〟しようというものだった」と。

そして著者は、第三章で、自身の研究について語る。

こう記している。「さて、私もまた、このロックフェラー大学における研究史のささやかな継承者のひとりとして、研究材料に膵臓の細胞を選んだ。これが細胞の分泌現象の研究モデルとして最適のものだったからである」

ここでは、著者が行った「GP2」の研究について、分子生物学的手法を丹念に説明しながら語っている。『生物と無生物のあいだ』執筆後に明らかになったことも少し紹介されている。

ひとこと

分子生物学的手法の説明にも力を注いでいる。

初投稿日:2017年04月21日

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