芸術と科学のあいだ
書籍情報
【単行本】
- 著 者:
- 福岡伸一
- 出版社:
- 木楽舎
- 出版年:
- 2015年11月
芸術をとおして「生命」を語るエッセイ集
時間、記憶、渦巻き、ヴォイド、対構造、相補性、動的平衡——これらは、著者が生命の本質を論じるうえでのキーワード。本書は、このような生命の本質を内包している芸術を語ることをとおして、生命とは何かを浮かび上がらせるエッセイ集。
とはいえ、この本は〝芸術エッセイという顔〟をしている。NDC分類も704(芸術、美術)で、生命と絡めずに芸術について語っているエッセイがいくつもある。各エッセイのはじめには、とりあげる芸術作品の画像が置かれており、パラパラとめくるだけでも楽しい、画集(小さな画集)的な要素もあわせもっている。登場する作品は、著者が愛好するフェルメールの作品(「牛乳を注ぐ女」「地理学者」など)、葛飾北斎「男波・女波」(怒涛図)、ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」、ほかにも写真など、いろいろ。
本書は、「日本経済新聞」(2014年2月16日〜2015年6月28日)の連載をまとめたもの。手のひらサイズのコンパクトな本。
ひとこと
芸術と生命科学との〝橋渡し〟的な一冊。
初投稿日:2016年01月27日