2024年2月に当サイトに追加した書評
2024年2月に追加した書評を、それぞれの書評ページの見出しとともにご紹介します。
『宇宙を創る実験』(編著:村山斉)
ILC(国際リニアコライダー)を建設する目的、その技術、社会的意義を語った一冊。
『免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム』(吉村昭彦)
免疫の基本的な仕組みから免疫学の医療への応用まで解説。サイトカインにまつわる説明が充実している。
以上、2冊です。
『宇宙を創る実験』は、加速器実験やILCの概要・技術について一般レベルで知ることができる本です。2014年に出版されており、ILCの日本誘致を目指し、国民にその社会的意義を広く伝えることを目的としていると思われます。編著の村山斉のほかに、12人の共著者(ロルフ・ホイヤー/ファビオラ・ジャノッティ/リン・エヴァンス/鈴木厚人/山崎直子/山下了/山本明/早野仁司/照沼信浩/田内利明/山本均/吉岡正和)がおり、第一部は村山斉の解説、第二部・第三部は12人の共著者の寄稿をそれぞれ一つの章としています。
『免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム』では、サイトカインのシグナル伝達機構を一般向けに詳述しています。また、「細胞の老化」と「免疫の老化」を取り上げており、私はこの部分にとくに興味を引かれました。書名から、免疫の基礎をわかりやすく解説したやさしい入門書をイメージする方も多いかもしれませんが、分子レベルの解説もそれなりにあるので、読み応えのあるタイプの本だと思います。
ここ数ヶ月かけて免疫の本(ポピュラーサイエンス)を少しずつ読んできましたが、3月も免疫に関する本を読む予定です。
初投稿日:2024年03月03日