2023年11月に当サイトに追加した書評
2023年11月に追加した書評をお知らせします。
『サックス先生、最後の言葉』(オリヴァー・サックス)
脳神経科医オリヴァー・サックスが老いや死と向き合いながら綴った4篇のエッセイ。約60ページの本。
『意識の川をゆく 脳神経科医が探る「心」の起源』(オリヴァー・サックス)
著者オリヴァー・サックスは亡くなる2週間前にケイト・エドガーら3人に本書の「内容のあらましを説明し、刊行の手配を託した」。「本人の手がける最後の書」である。知覚、記憶、意識といった、さまざまな角度から人間の本質を探究した一冊。
これまで数ヶ月かけて少しずつオリヴァー・サックスの本を読み、書評を追加してきました。これで日本語版になったものは、「重版・増刷されていないために入手しにくい本で、NDC分類が4類自然科学でないもの」(『左足をとりもどすまで』『手話の世界へ』『オアハカ日誌』)を除いてすべて読み終えました。
12月1日には、著者案内「オリヴァー・サックスの本、どれを読む?」というレビュー(まとめ記事)もアップしています。そこにも書きましたが、オリヴァー・サックスは、さまざまな奇妙な神経学的な症例を人間味あふれる「患者の物語」として描いてきた著者です。その描写をとおして、さまざまな物質の想像を絶するバランスによって健康が保たれていることや、脳の適応力のすごさ、潜在力、不可思議さが浮き彫りにされています。ぜひ読んでおきたい著者の一人です。
初投稿日:2023年12月06日