「こころ」はいかにして生まれるのか
著 者:
櫻井武
出版社:
講談社
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「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた
著 者:
橋本幸士
出版社:
講談社
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免疫の意味論
著 者:
多田富雄
出版社:
青土社
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ブラックホールをのぞいてみたら
著 者:
大須賀健
出版社:
KADOKAWA
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これが物理学だ!
著 者:
ウォルター・ルーウィン
出版社:
文藝春秋
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皮膚感覚と人間のこころ
著 者:
傳田光洋
出版社:
新潮社
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「こころ」の脳科学の基礎知識を〝要領よく〟得たい方におすすめの本

「こころ」はいかにして生まれるのか
著 者:
櫻井武
出版社:
講談社
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こころ、意識、感情、といった目に見えないものを脳科学にもとづいて考えてみたい方には、本書の一読をおすすめしたい。本書をとおして、こころ、意識、感情といったものを脳科学にもとづいて考えるための、たくさんの知識を〝要領よく〟得ることができる。解説の中心となっているのは、副題のとおり「情動」だ。

本書は脳科学の一般書をまったく読んでいない方でも読めるように基本から丁寧に解説しているので、このテーマの入門書として最適。参考文献・さくいんを含めて約230ページと適度なボリュームなのも入門書的だ。

入門書的といっても、簡略化しすぎてはいない。それどころか、脳部位などの専門用語がたくさんでてくるので、脳科学の本をはじめて読む人にとっては読み進めるのが大変かもしれない。この簡略化しすぎていない、そして丁寧な解説が、本書の魅力の一つだ。

この本の内容については、書評ページを見ていただくとして、ここでは、書評ページで引用しなかった著者の言葉を紹介したい。

終章に「自分のことだからこそわからない」という見出しがある。ここで著者は、つぎのように記している。

「感情や気分をコントロールする脳の機構も、歩行などの行動と同様に、外界や体内の状況に応じて、意識されることなく自動的に動いている。」「意識は、脳の深部に存在する大脳辺縁系や報酬系の働きや、全身の変化を認知して「主観的な感情」を感じる。私たち自身のおかれている状態は、脳によって常に検知されてはいるが、大部分は意識がおよばない領域で、脳の深部が自動的に処理している。ほとんどのことは、私たちの意識にのぼらないうちに行われているのである」

本書において著者は、「こころ」を「行動選択のためのメカニズム」と位置づけて論じている。意識のおよばない領域について知り、自身の行動を振り返ってみるとおもしろいと思うが、どうだろうか。

初投稿日:2019年02月28日

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